1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「…なん、ですか」

「何って、分かるでしょ?昨日のことよ。雷斗くん…いいえ、嵐鬼と神野くんとどういう関係なの」

 確信を求めてくる質問。そのことに、クラスメイト達が息を飲んだのが分かった。

 どういう関係?
 そんなの、言えるわけない…。

「何でもありません」

「嘘つかないでよ!何にもなかったら、あんたみたいな地味女が眼中に入るわけないじゃない!!」

 とんでもない暴言だ。それにいくらなんでも傷つきます。

 でも、いじめの始まりとかって、言うこと言うことみんな同じなんだなぁ…。
 定番すぎて、言い返すセリフも定番すぎる。

 ちらりと視線を向けてみると、今にも発狂しかねないご様子。

 めんどくさいです。
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