1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
「…嵐鬼の総長さんでしたっけ?朝、ぶつかってしまったのにわたしが謝り損ねたんです。放課後たまたま目が合って、怒られただけです」
「は?」
「大宮くんの件ですが、私と彼、中学同じなんです。その頃から、クラスで浮いている私に大宮くんが話しかけてくれていた時にあだ名で呼ばれていました」
朔夜さんの件に関しては間の説明省略して、改ざんしていますが嘘は言ってません。
また、雷斗くんに関しても。彼は本当に中学が同じで、話しかけてきてくれたのをきっかけにあだ名で呼んでくれるようになりました。
これ以上何にもないという視線で目の前にいるクラスメイトを睨むと、負けじと睨み返してきた。
でも、なんとなく納得はしているっぽい顔です。
「じゃあ、神野くんとはどういう関係なのよ!私たちが話しかけても視線すら向けてくれないのに!!」
一番の難題です。
神野くんのことは私にもよく分かりません。
ただ、隣の席になっただけだというのに…。
「…神野くんは」