1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
現役
なんだかんだで夕御飯とケーキを食べ終わり、リビングのソファにいるのですが、私の膝を枕にして智希と望亜は眠っています。
はう、天使がいる…。
「よも、足しびれねぇか?」
「うん。大丈夫!ともくんとみあちゃんの枕くらいなら」
ビールを片手に隣に来たお父さんは、苦笑を浮かべて智希と望亜の頭を撫でる。
「よもももう、現役だなぁ」
「お父さん、私喧嘩できないよ?」
「チームには入れさせねぇよ?でも、喧嘩できねぇわけねぇだろ?」
「ま…まぁ護身くらいには?」
ニヤリと笑うお父さんにたじたじな私。
そう、小さい頃から現役のお父さんたちを間近で見てきたせいか、私はある程度の喧嘩を備えているのです。
あ、そうだ現役っていうのは…。