1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「晴野、課題一緒にやろうぜ。そしたら、苦手なとこ分かるだろ」

「分かりました。お願いします」

「…敬語、やめろよ。親にはため口だったから、本当はため口だろ」

「いえ、ほとんど敬語ですよ」

「…なんか固いから、ため口がいいけど無理ならいいよ。そのままで」

 神野くんは苦笑を浮かべながらもそう言ってくれました。

 頷くと、少しだけ視線を逸らされます。

 この日以来、私はクラスメイトには睨まれることも悪口を言われることもありませんでした。

 あぁ、あの気の強い3人組は次の日からなんとすっぴんで学校に来たんです。
 正直、誰も彼女たちだと気づきませんでした。とてもおとなしかったです。

 神野くんに言われたのが、相当こたえたんですね。

 そして私はテスト週間中、神野くんに勉強を教えてもらい、無事にテストを乗り切りました!
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