1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「で、どんな依頼」

「不良息子の素行調査。携帯に送った奴」

「あぁ、こいつ隣の高校の奴だろ?確かどっかの族に入ってたはず」

 神野くんも結構情報持っているんですね。

 神野くんの言う通り、今回のターゲット?は隣の高校で、暴走族に入り始めたのは最近。
 ただ、入った族がまずいところだったらしく、最近性格変動が現れたそう。

 ということは、薬の出回っている可能性もあります。
 いざという時には警察沙汰にする。
 残念ながら、族を潰すほどの力は私にはありませんからね。

 情報を集めるだけ集めて警察に突き出しちゃいましょう。

「ところでハル、本当に怪我は…」

「大丈夫。1か月大人しくしてたんだからな」

「…そうか」

「それより、ほら目の前」

「え」

 私たちの前方数メートル。依頼主の息子さんが歩いてます。

 神野くんはびっくりしていますね。
 まぁ、ここまで近づいてことにびっくりしているだけのような気もします。
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