1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 ターゲットからは薬のような臭いはしません。

 ただ、素行が悪くなっただけなのでしょうか。

 向かった先はゲームセンターで、そこで仲間と合流。格闘ゲームの対戦を行った後、また街へ繰り出していく。

「…別にただの不良って感じだけど」

「…彼といる少年たち、少し変」

「変?」

「…やっぱり、やっているみたいだな」

 私の言葉に神野くんの表情が険しくなる。

 少年たちは繁華街にくると、突然人気のない路地裏に入って行く。
 ばれない様に追跡してみると、少年たちは繁華街の路地裏で明らかにヤのつく職業の男と合流。男が差し出した白い粉。

 …間違いないみたいですね。

「あれって…」

「…戻るぞ。もう警察に言うしかない」

 あまり足を踏み込むべきではない。
 ばれたら終わりだ。
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