1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 そのまま学校に行くと、女子の視線が突き刺さります。

 …やっぱり慣れません。

 神野くんは気にならないようで、堂々と歩いています。

「…晴野?」

「え、あ…」

 気づいたら何歩分か離れてしまっています。
 立ち止まって振り返っている神野くんは、私を待っていてくれています。
 でも、なぜか足が全く動きません。

 進もうとしても足が言うことを聞いてくれない…。

「きゃぁああああ!!」

「ッ!!?」

 急に肩に感じた重み。
 弾かれるように顔を上に上げれば、険しい表情をした朔夜さんが神野くんを睨んでいます。

 なんで…。
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