1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「…う」

「よも?」

 頭痛い…。

 私、どうしちゃったんでしょうか…。

「まだ起き上がるな」

 身を起こそうとすると、それ以上に強い力でまた床に寝かされてしまいました。

 これは制服とタオル…?

 それに、ここは屋上…?

「よも、ごめんね痛くない?」

「制服とタオルだけじゃ、固いままね…」

 頭を撫でてくれる輝星さんは、せっかくの綺麗な顔が歪んでしまっています。
 凪さんは何かないかと探してくれていますが、そんなに気なさらなくても大丈夫なのに…。

 あれ、私何を枕にしているんでしょうか…。

 視線を上げれば、カッターシャツ姿の朔夜さん…。

 え、あれ…?
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