1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「ッ!!?な」

「蓬、まだ寝てろ!」

「な、なんで膝枕!?輝星さんの特等席では…」

 急に起き上がったせいでしょうか。

 突然目の前がぐるぐると…。

「だから言ってんだろ。まだ起き上がるな」

 朔夜さんに引き寄せられて再びお膝にお邪魔して…。
 うぅ、面目ない。

「…朔夜さん、風邪引きます…」

「気にするなと言ったはずだ。いいからまだ寝てろ」

 お腹の辺りまで下がったかけ布団代わりになっている制服を引き上げてくれました。
 おかげで私は寒くないです。
 でも、朔夜さんも渉さんも雷斗くんもカッターシャツで寒そうです…。

「よもぎちゃん、僕たちのことは心配しなくていいですから」

「そうだよ。気にしないで?」

 渉さんも雷斗くんも優し過ぎます。

 でも、甘えているだけではいけないです…。
< 155 / 313 >

この作品をシェア

pagetop