1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
「嫌じゃないですよ」
「ほんとに?」
「どうしたんですか?神野くん自信ないみたいです」
「…晴野が1日中、笑わねぇから。昨日まで笑ってくれてたじゃねぇか」
そんなこと言われても…。
でも、確かに言われた通り今日はなぜか笑えませんでした。
どうして?昨日までとどうして違うんでしょうか…。
「…晴野、1つ聞いていいか」
「なんですか?」
「…今朝、晴野倒れただろ。あの時、嵐鬼の奴らに晴野は連れて行かれた。止めようとしたけど、嵐鬼の総長が言ったんだよ。こいつは俺らの仲間だ。手出したらぶっ潰すって…。晴野、お前嵐鬼とどういう関係?」
神野くんの言葉に全身の血が引いていくような感覚に襲われる。
どうして?なんで約束を守ってくれないんですか…。
やだ、怖い。
もう、誰にも構わないから…だから…。