1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

出会い 秋空side


「あきらにぃちゃん!おにごっこしよ!」

「え~かくれんぼがいい!」

「順番な。順番」

 幼稚園児まとめて連れて行って、この公園にやって来た。

 施設にある運動場は広いけど遊具も隠れる場所もなくて、遊びはいつも決まってた。
 だから、時々こうして近所の公園に出かけに来てた。

「よ~し、兄ちゃんはトイレ行ってくるからその間に何するか決めとけよ」

「「は~い!」」

 公園に着いたら自分たちで何をやるか決めさせる。
 いつものことだったから、俺はチビたち置いてその場を離れた。

 それで、戻ってきたときだった。
 いつもなら、俺を見るなり飛びついてくるチビたちが、この時は一切俺に気づかなくて、3人の同じくらいの年のガキたちに怯えてた。

「かあちゃんといっしょじゃないと、こうえんきちゃいけないんだぞ!」

「おかあさんいないやつらはかえれ!」

「こいつらのいえにしばふあるのおれみた!」

「じゃあそこであそべよ!」

「ここはぼくたちのあそびばだ!」
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