1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「きれい…」

「気に入った?でもよも、そっちじゃなくて中身見てよ」

「え?」

 これがお誕生日プレゼントではないんですか?
 よく聞いてみると、メガネケースの中からカタッと音がします。恐る恐る開けてみると、おしゃれなメガネが出てきました。

「よも学校行くときメガネなんでしょ?あんなビン底よりかわいいって。つけてみな?」

「紅葉センスいいじゃねぇか」

「清牙は私をバカにしてる?あんなビン底メガネあげるくらいだもんね~」

 お父さんと紅葉さんの言い争いを背に、早速貰ったメガネをかけてみました。

 おぉ、いつものメガネより断然軽い…。
 そしてメガネをつけている感覚はあまりしません!

「よもぎちゃん、似合ってるよ」

「ありがとうございます。颯人さん」

 ちゃんと褒めてくれる颯人さんは紳士です。

「よも、いいじゃない。明日からイメチェンしていきな」

 お母さんも背中を押してくれました。イメチェンをする時期ではないですが、早速明日からつけていきましょう。


< 18 / 313 >

この作品をシェア

pagetop