1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「おまえらなんか、ここにくるな!!」

「やめろッ!?」

 いくら子どもの力でも、石なんて投げられれば怪我しかねぇから。
 親は見てみないふり。

 チビたちは避けることもしないで泣いてて、石が投げられるのを俺は見ることしか出来なかった。

 でも、その時チビたちの前にいきなり俺と同い年くらいの女の子が割り込んで、投げられた石を、身をていして止めてくれたんだ。

 いきなり入ってきた女の子に、いじめっ子たちも、チビたちもびっくりして動けなかった。

 女の子は抱っこしてた男の子を降ろすと、いきなり石投げたいじめっ子をひっぱ叩いたんだ。

 その音に、ようやく母親たちはこっち見て、女の子を睨みつけた。

「ッう…うわぁぁあああん」

「ちょっとあんた!!子ども殴るってどんな神経してるの!訴えるわよ!!」

 石投げた奴の母親が、子ども抱きかかえて女の子を睨みつけた。
 他のいじめっ子たちも母親に抱っこされて、母親たちに女の子は睨まれた。

 でも、女の子は一切ひるまねぇの。それどころかさ。
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