1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
「あんたたちの子どもの方が変でしょ!!どんな教育してるわけ!?」
いきなり母親たち怒鳴り始めたんだ。
思わず目丸くしてその場で固まっちまった。それは母親たちも同じで、固まってた。
「散々悪口言ってたのに、あなたたちは叱りもしない。それどころか、石まで投げてたんだ!私が止めなかったら、この子たちが怪我してたんだ!訴えられるのはどっち!?あんたたちのずさんな教育で、この子たちがどれだけ傷ついたか分かる!?」
女の子の剣幕に母親たちはすっかり言い返せなくなってさ。
あれは見ものだったね。他の公園の客たちもぞろぞろ集まって来てた。
「…だからと言って、子どもに手を上げることないじゃない!」
「ぼくしってるよ!いけないことしたらね、たたかれてもしょうがないの。だれかにいたいことしたら、ぼくもおんなじいたいのしるの!でもね、ねーねはね、たたいたあとはぎゅうってしてくれるの!」
急に話に入ってきた男の子に母親たちは遂に何もいなくなって、真っ赤な顔して公園から出て行ってた。