1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
「よもよも!俺らからも誕プレ!」
目の前に差し出された物に思わず表情は引きつる。
いや、隠そうとはしたんですが、顔って素直…。
「よもぎ、そこはわぁいだろ?」
「俊也さんと剣人さんは信用できません」
「「うわ、俺らの信用のなさ!!」
「お前らが毎年悪戯すっからだろ」
お父さんの冷静なつっこみに、2人ともそれはそうだとあっさり納得されました。
お父さんの言う通り、俊也さんも剣人さんも毎年私をびっくりさせて楽しんでいるのです。
去年なんて徹夜で作ったビックリ箱ですよ?望亜のいる前で開けてしまって、大泣きしてしまったんですから。
とはいえ、せっかく準備してくださったんです。出来るだけ慎重に…。
「よもぎ、今年はほんとにビックリ箱とかじゃないから」
「そうそう。だからそこまで慎重にならないで?」
俊也さんと剣人さんは本当に落ち込んでいるみたいです。
そんな顔されたら私が悪いみたいじゃないですか。
では、意を決して箱を開けます!