1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「神野くん?」

「ん?」

「あの、ごめんなさい」

「何が?」

「今まで、騙して来てて…」

「騙す?情報屋のことか?そんなの、言えるわけねぇじゃんか。俺が晴野の立場だったら、絶対に言わねぇよ」

 あ…あれ?

 神野くんは呆れた顔をしています。

 なんだか私、今日神野くんに呆れられすぎませんか…?

「でも、なんでいきなりそんな大事なのこと教えてくれたんだ?」

「…神野くんが言ったんじゃないですか」

「は?」

「相手のこと、知りたいって思うのに、自分のこと話さずに聞くなんてずるいからって。だから、私ッふぐ!?」

 いきなり口を塞がれました!?
 あ、もちろん神野くんの手ですよ。

 って、鼻まで塞いでます!?息が出来ない~!!?
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