1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「よも~!」

「ッ!?あ、輝星さん!」

 あの頃はまだ幹部生でもなかった朔夜さん、輝星さん、焔さん、凪さん。あ、渉さんだけは幹部でした。

 渉さんは4人を次なる幹部として育てるために、当時総長からお願いされて4人を見ていたんです。

 私にしがみ付いてくる友達を、輝星さんは少しだけ見ていましたが無視して私に話しかけてきたんです。

「帰り?たまり場行こうよ。朔夜、いいでしょ?」

「あぁ。蓬、乗れ」

「あ…でも」

「…あ、私じゃま?ごめんごめん。蓬、また明日ね」

 友達はあっという間にどこかに行ってしまって、私は呼び止めることすらしませんでした。

 朔夜さんが言う通りに後ろに乗って、たまり場に連れて行ってもらって、遊んでもらって、送ってもらって帰っていました。
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