1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「お前の綺麗な顔、俺だけ知ってればよかったのに」

「へ?」

「は?…お前まさか、不細工とか考えてたのか。ないない、朝からお前超美人な奴がここの制服着てるって噂になってたのに。てか、あれ晴野だったのか…」

 なんですか、その超美人とは。
 そんな言葉私にはもったいないですよ…。

「なぁ、晴野。お前が不細工だったら、あの辺にいる化粧してる奴らどうなるわけ。最早不細工とかそういうレベルじゃねくなんぞ」

 そして、神野くんの暴言は熾烈さを極めていると思うのは私だけですかね…。

 何も言えなくなった私に対して、神野くんはつまらなさそうです。
 そして、神野くんのひと言でなんだか視線が殺気に変わったような…。

 ガラガラバタンッ

「きゃぁああああ!!!」

 どこからそんなキンキン声でるんですか!?

 そして、いつもそんな声にお出迎えされる嵐鬼の皆さんご愁傷様です。ついでに教室に飛び込んできたのは雷斗くんです。

 雷斗くんはなぜかこちらを凝視してますね。ってあれ、なんだか距離近づいて…。
 がっちりと肩を掴まれてしまいました。あれ。
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