1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「…雷斗、お前何やったか分かってんのか。今までのよもの苦労水の泡にしてんじゃねぇよ!」

 焔さんの言葉に、雷斗くんはピクッと反応する。

 でも、今回の行動だけじゃない。雷斗くんはクラスでも何回か私に関わった。
 それは、クラスメイトとしてではなく、仲間として。

 今回の行動で、それが決定づけられてただけ。

 それに、昨日の朔夜さんたちの行動で大分意味をなさなくなった約束なんですがね…。

「…雷斗、自分の行動に責任持てんのか?」

「…よもちゃんの送り迎え、俺がします。学校にいる間も俺が傍にいます。あんなこと、二度と起こさせない」

 雷斗くんの言葉に思わず顔が引きつりました。

 そんなことされたら学校にいる間は雷斗くんから離れること出来ないじゃないですか。
 1日中あんな耳の痛い悲鳴を一緒に聞くんですか?

 …絶対嫌ですね。
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