1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「…だったら、なんで神野はいいの?俺たちはダメで、なんで神野はよもちゃんと一緒にいるのに、嫌がらないの!?」

「…神野くんは、私の友達です」

「じゃあ俺たちは、よもちゃんの友達じゃないの!?」

 雷斗くんの言葉に思わず言葉が詰まってしまいました。
 朔夜さんからも、渉さん、輝星さん、凪さん、焔さんからも同じような視線が返ってきます。

 違う、雷斗くんだって友達です。

 でも、神野くんは雷斗くんたちとは違う…。

「違います。…初めてなんです。お父さんの繋がりなしに仲良くなれて、私を受け入れてくれたのは神野くんだけなんです!」

「俺たちだって、清牙さんのこと抜いても、よもちゃんを受け入れてる!よもちゃんの過去だって知ってるのは俺たちだけ…」

「神野くんにもお話しました。自分の意思です」

 私の言葉に雷斗くんはまた黙り込んでしまいました。

 意地悪…なのかな。
 でも、私は嵐鬼よりも、神野くんの傍にいたい…。
 なんで、そう思うのか自分でも、分かりません…。
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