1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 朔夜さんは箱からピアスを取り出すと、おもむろに針の留め具を外しました。

 え、なんだか嫌な予感…。

「さ…朔夜…さん?」

「渉、ぜってぇ離すな」

「分かってる」

「え、朔夜、いくらなんでもそれは…」

「待って、ピアッサーあるから。だからそんな怖い顔でよもに迫らないで!!」

 なんだか猛烈に嫌な予感がするんですが!?

 輝星さんがかばんからピアッサーを取り出していますが、朔夜さんは全く無視です。

「よもぎちゃんが悪いんだよ」

「え?」

 なんだか渉さんから黒い笑顔が…。
 そして朔夜さんは私の髪を払って、右耳を掴むと耳たぶを触り出しました。

 ひ…助けてください~!!?
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