1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
抜け出した先
「晴野、昼なに食う?」
「神野くんは何が好きですか?」
「俺選ぶと量多いぞ」
えっと、学校抜け出して今、隣町のショッピングモールにいます。
あれから教室にかばんを取りに行って、その足でここまで来ました。
なので制服のままです。
でも、なんだか少しすっきりしてここに居ます。
神野くんは意外に大食らいなんですね。
「いいですよ。神野くんに合わせます」
「言ったな。後悔すんなよ」
にやりと笑った神野くんに思わず笑ってしまいます。
なんか、企んだ笑顔神野くん変です。いきなり笑い出した私に神野くんは表情を歪めました。
「なんだよ。気持ち悪」
「神野くん暴言反対です」
「なら、黙ってついて来いよ。晴野ぜってぇ気持ち悪くなるから」
神野くん御用達?のお店はどんな大盛りなんですかね。
ショッピングモールの1階にある飲食店の立ち並ぶエリアに来ると、神野くんは迷わずとんかつ屋さんに入りました。
うわぁ、お昼から重い…。