1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「で、そちらの彼女さんは?」

「だから、彼女じゃねぇ…。晴野、こいつ俺の同室だった奴。名前は覚えなくていい。で、こいつは晴野蓬。俺らと似た境遇」

「名前くらいちゃんと紹介してよ!秋空のケチ!」

「…えっと、晴野蓬です。よろしくお願いします。…お兄さん?」

「ッ!!…いい、キミになら何て呼ばれてもいいや」

「キモい」

 神野くん毒舌絶好調ですね。なのに、すごい楽しそう。

 やっぱり、神野くんにとって、たいようの家の人は家族なんだ。

 お兄さんはしばらく神野くんと遊んだ後、厨房に戻って行った。
 神野くんは苦笑して謝って来たけど、楽しそうな神野くんを見てこっちまで楽しくなっちゃいましたね。
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