1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 お父さんはすぐに私の耳に気が付くと、一瞬で表情が険しくなりました。…え?

「よも、耳どうした」

「…えっと、朔夜さんに…っひ!?」

「開けられたんだな。あのくそガキ」

 お…お父さんが静かにキレていらっしゃいます…。

 神野くんの表情も引きつっちゃってますよ!?
 しかも朔夜さんをくそガキって…。

「よも、病院行くぞ。で、秋空くんも開けるなら病院でついでにやってもらえ」

「え、俺はいいですよ!?」

「病院、行くぞ」

「「…はい」」

 お父さんの圧力に返事せざるおえませんでした。

 お母さんの体調を待ってからと思ったんですが、お母さんも早く行けと追い出されちゃいました。

 お父さんの車で、神野くんと一緒に病院へ…。
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