1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
行きついた先が市民病院であることに神野くんはびっくりです。
「なぁ、大袈裟じゃねぇか?」
「嵐鬼のOBさんがここで働いていて、何かあるとここに来るんです」
「あ~、なるほど…」
納得した神野くん。それでいいんですか。
お父さんは私と神野くんを連れて、受付で剣人さんの居場所行くと、診察室ではなく直接お部屋へ行くみたいです。
…いいんでしょうか。
「剣人、邪魔するぞ」
「今日はどうした?」
剣人さん苦笑いです。
ですが、神野くんを見ると少しびっくりしたように目を丸くしました。
「え、よも友達?」
「はい。神野秋空くんです」
「はじめまして」
「はじめまして?…清牙、俺若い2人の邪魔したくないんだけど…」
「バカ、そうじゃねぇ。耳見てみろ」
「耳?…よも、絆創膏取るよ」
剣人さん一瞬でお医者さんの顔になりました。
看護師さんがガーゼなどをさりげなく置いて行ってくれました。流石、看護師さんです。