1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
「…よも、これピアッサーじゃないな?」
「は?」
「やっぱりわかりますか」
「…とりあえずきれいに洗うか。よも、これ開けるのか」
「せっかくなので?神野くんとピアス探して来たんですがいいのなかったのでまた探します」
「おい、待て。ピアッサーじゃないってどういうことだ」
お父さんが剣人さんの手を止めて私の耳を睨むように見ています。お父さん怖いです。
「よも、これなにで開けられた」
「…ピアスの針です」
「…剣人、こいつら2人頼んだ」
「お~い、清牙。もう現役じゃねぇぞ?」
「懲らしめて来るだけだ」
バタンッと豪快な音を立ててしまったドア。
…朔夜さんたちの無事を祈ります。