1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「お前も、ちゃんとケアしろよ。この洗浄液で…」

 神野くんにはしっかり説明しています。神野くんも真剣に話を聞いていますね。

 その話はすぐにおわり、私と神野くんはそのままそこでお茶をいただきました。

 ちょっと寒くなってきたので、あったかいお茶は美味しいですね。

「神野は嵐鬼じゃねぇんだな」

「あ、はい。同じクラスです」

「よく話しかけれたな」

「…まぁ、ちょっと強引に」

「ははっ、清牙には言うなよ」

 笑って言っていますが、笑いごとではないですよ。
 神野くんも察してか無言になってしまいました。

 しばらく話していると、すっきりした顔のお父さんが戻って来ました。

 えっと、なにをしてきたんでしょうか…。

「お、きれいに開いたな。よもも何とか大丈夫そうか」

「ちゃんと洗ってやれよ」

「分かってる。悪かったな」

 いつものお父さんです。
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