1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 イヤリングになって戻ってきた葉っぱのピアス。

 これ片方はイヤリングでいいとして、果たしてピアスを開けた穴にイヤリングをしてもいいんでしょうか。

「あ、それ磁石だから、大丈夫だと思うよ」

「颯人さんは心読めます?」

「まさか。よもぎちゃんの表情見てればなんとなくわかるよ」

 謎ですね。首を傾げても颯人さんは笑ってそれ以上何も教えてくれませんでした。

 あれ、いつの間にか神野くんに俊也さんと剣人さんが話しかけてますね。

 神野くんはちょっと困ったようにしながら話をしていますが、居心地悪そうです。

「よし、今日は朝まで飲むぞー!秋空、お前も付き合え」

「えぇ!?」

 俊也さんの言葉に神野くん顔色真っ青です。
 朝までって、明日学校なんですが。

 …あれ、なんだか寒い…。

「バカ野郎!健全な学生に毒盛るんじゃねぇ!」

 わお、お父さんでした。今日のお父さんは血の気が多いですねぇ…。

 その後神野くんは颯人さんが無事に家まで送り届けました。

 あ、私も俊也さんの悪酔いに巻き込まれないようにちゃんと逃げましたよ。自分の部屋に戻り、ちゃんとベッドで就寝です。

 明日の学校はちょっと恐怖ですが、何とかなることをお願いします。
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