1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 思いっきり舌打ちして見送りましたが、神野くんは本当に私以外の人に対しては本当に毒舌というかなんというか…。

 とにかく怖いですね。

「晴野、行こうぜ」

「うん。…あ」

「ん?」

 バイクの音がします。これは嵐鬼の皆さん…ですよね。

 う、昨日の件があるので気まずいです。

「「きゃぁあああ…?」」

「あれ?」

「なんだ?」

 いつもの悲鳴がなんだか今日は急にしおれました。
 どうしたんでしょう。会うのは気まずいですが、気になったので足を止めます。

 バイクを止めるために一旦駐輪場に行かれるんですが、その場にいる全員が駐輪場の方へ視線を向けています。

「「え…ぎゃぁあああああ!!?」」

 やがて姿を見せた朔夜さんたち。

 ですが、彼らが姿を見せた途端、いつもの悲鳴が絶叫に変わってしまいました。

 ついでに私と神野くんも思わずあんぐりです。
< 272 / 313 >

この作品をシェア

pagetop