1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「え?」

「…お前らさ、頭わりぃの?晴野に手出したら表出られなくなるそうにするぞって言ったよな」

 えっと、ものすごいタイミングで神野くん登場。

 …ではなくて、私が背をついていたドアの反対側のドアが吹っ飛んだのは気のせいですか?

 あ、気のせいではなく現実のようです。
 吹っ飛んだドアで早くも2人ダウンしています。

 これ以上になく怒った神野くんの姿に女子生徒たちは震えあがります。

 あー、この人たちやっぱりバカだ。こうなること予想していなかったみたいです。

 って、私神野くんが助けてくれるのを心のどこかで信じていたみたいです。

「晴野、何にもされてねぇな」

「言われはしましたが、身体的には無事です」

「誰に言われた」

「目の前の方です」

「へぇ、この化粧おばけが?」

 神野くん化粧した女性嫌いなんですかね。やたら化粧が濃いと悪口がエスカレートします。

 神野くんの睨みを一身に受けた女子は顔色を真っ青にさせています。
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