1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
「神野、てめぇは引っ込んでろよ」
仲間が倒れて怯むかと思いきや、私の前に立っている男子が口を挟んできました。
あ、怯んでないんじゃなくてただ虚勢張っているみたいです。
神野くんは男子に視線を向けると、男子が怯みました。
え~と、神野くんって実は暴走族の幹部以上の力確実にありますよね?ついでにオーラも…。
どこかの族に入っていると言っても誰もびっくりしないんじゃないでしょうか。
「引っ込むのはてめぇだろ。お前ら気付かねぇの?さっきから晴野、ここの映像と音声、記録してんだけど」
「あ!?」
「え…」
「それ、先生にばれたらどうなるか、分かんだろ?いじめに対しては容赦のねぇ高校だ。ばれれば即刻退学処分。よくても停学。…お前らの将来終ったな」
にやりと笑った神野くんに男子も女子も嘘だろという視線を私に向けてきます。
それはいいとして、神野くん…。