1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「いいから、答えろよ。処罰はあるか、ないか」

「…状況にもよりますが、今の神野くんは私を守っている立場だと判断されるはずなので、処罰はあっても軽いとは思いますが…」

「なら、やってもいいよな!!」

 言い終わる前に殴ってるじゃないですか!

 軽く飛んでいった男子に、隅っこの方から傍観者になっていた人たちから悲鳴が上がります。

 その光景に最早戦意喪失な方々…。
 これで殴って来れる人いたら相当なおバカさん…。

「…よ、よくも!!」

 いるんですか!?そして何ですかそのへなへな構え!

 いくらでも隙はあるだろうに、神野くんはわざわざ避けてから反撃しました。

 …一応、気にしているみたいです。もちろん1発でアウトでした。

 その後もこうなったらやけだと言わんばかりになぜか他クラスからもやって来て、戦場になってます。
 もうその頃には学校であることとかいろいろ忘れて本気のケンカになりつつありますが…。

 え~と、どうしよう。先生…呼んだとしてこれ収まるのでしょうか。
 思わず傍観者になってしまいましたが、これってもとは私のせいですよね。

 …どうしましょう。

 止めなきゃ…うん、無理です。
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