1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
目の前の大乱闘に気を取られていたのか、背後からの気配に今さら気づきました。
振り返れば、先ほどの女子の後ろ側にいた方です。
あ、やっぱりこっちがリーダーなんだ…。
「あんたなんか、いなくなればいいのよ!!」
後ろ手に隠していたものはカッターナイフ。
え、この人殺人事件起こすつもりなんですか…。こんなしょうもないことのために?
って、冷静に考えている場合ではなく、結構ピンチです!?
「こんなことで人生棒に振るつもりですか!」
「うるさい!!」
ダメだ。完全に頭に血がのぼってる。
振り下ろされるカッターナイフ。
流石にまずいですがどうやって離させれば…。
と、考えていると体が後ろに引っ張られ誰かの腕の中にすっぽりと納まりました。
振り下ろされるカッターナイフを掴む腕が誰かによって止められます。