1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 あの騒動の後、神野くんも雷斗くんもいない状況での登校だったのでそれはそれはガチガチでした。

 朝から吐き気やら腹痛やらしましたが、私のせいで謹慎になっている神野くんたちに進んだ授業分を教えるためにもと無理矢理登校しました。

 登校し、教室に入れば一瞬で静まり返る教室。
 まぁ、当たり前ですよね…。

 とにかく無視すればいいやと席に座った途端、こそこそと話していたクラスメイトがやって来たので思わず飛び上がりそうになりましたよ。

 やって来たのはなぜだか大人しいと呼べるような子たちで、化粧など一切していません。いつも授業に出ているまじめさんたちです。

「晴野さん」

「…なんですか」

 念のためとポケットに入っている携帯の録音機能を作動させる。
 これ、もう癖なんです…。

 じっと見つめていると、突然頭を下げて…え!?
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