1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「それだけで十分です。あの時、先生が来てくれなかったらもっと怪我人がいて、大変なことになってました。それを食い止めて下さっただけでも充分です」

「…晴野さんってずっと冷たい人だと思ってたけど、本当は優しいんだね」

「え?…私は優しくありません」

「そんなことないよ。…ねぇ、よかったらこれからも話していいかな。あ、神野くんや大宮くんが戻ってきたら無視していいから!」

 話しかけたいというのに、慌てて神野くんたちがいたらいいだなんて、なんだか変ですね。

 でも、私がこんな風にしてもらってもいいんでしょうか…。
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