1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 現在に戻りまして…。

 公庄先生の視線に耐えきれなくなってきました。うぅ、なんだか言い辛い…。

「いつもよりは、出来たと思っていたんですが…」

「そうか、でも、神野に教えてもらっていた方が成績は良かったな」

「なぜそれを!?」

 中間テストのときは神野くんに教えてもらっていて、今回前回の点数より伸び悩んでいたのは確かですが、なぜ神野くんに教えてもらっていたことを公庄先生が…。

「放課後、図書館でやっていただろう。ちょうど見回り点検の当番でね。2人が自主的に帰るまで様子を見ていたんだ」

 公庄先生に気を使われていたようですね。

 確かにおかしいなとは思っていたんですよ。

 下校時刻を過ぎていた時に、先生が誰も見回りに来なかったので…。
 まさか見守られていたとは…。
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