1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 6人は歓声を無視…あ、焔さん以外は無視して校舎の中へ入ってきます。

 おおぅ、輝星さんとばっちり目が合いました。その瞬間、ふんわりと天使の頬笑みが…。あう。今なら天国へ旅立てますね。


 って、いけないいけない!とっとと退散しなければ。
 ペコッと頭を下げて教室までダッシュです。ひゃ~、嵐鬼と関係ありと思われたら最後です。


 教室に入ると、先ほどの嵐鬼の登場のお話で賑わっています。
 私が入ってきたことなど気づいているんですかね?とりあえず、廊下側の一番前。それが私の席なのでちょんもりと座ってスケジュール帳を見ますかね。

 学校の予定に合わせて、情報屋としての予定までびっしりです。あう、明日も依頼主と会わなければ…。

 頭を抱えていると、ポケットの中から何やら振動が。これは蓬携帯ですね。
 情報屋として活動していくに当たり、お父さんが蓬携帯と情報屋携帯と与えて下さったのです。

 蓬携帯が着信したメールは…な、なんと!輝星さんです。
 早速覗き見フィルターを使ってからメールを開きます。

『よも、さっき逃げたでしょ?ひど~い!
 罰として、今日お昼一緒食べよ?
 屋上で待ってるね♡』


 あう。逃げたのは正当防衛です。
 
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