1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

嵐鬼


 さてと、屋上にばれない様にいかなくてはですね。
 とりあえず階段を上がっていきましょう。生徒のいない階段を慎重に選らんで行きます。

 誰とも遭遇せずに屋上にたどり着くと、一応ノックしてから開けます。聞こえているかは分かりませんけどね。

「あ、よも~」

「よもぎちゃんお疲れ様です」

「こんにちは」

 屋上には嵐鬼の幹部以上の6人がしっかりとそろっていらっしゃいました。

 輝星さんと渉さんにあいさつされ、朔夜さんは口角を上げてくれました。
 凪さんも同じように笑っていらっしゃいます。

「よも、顔見せてよ~」

「あう」

「きゃあ!今日もかわいい」

 顔を隠していた前髪は全部左右にのけられました。そして抱きしめられ、すりすりされます。

 輝星さんの方が何倍も可愛い…いえ、綺麗だと思います。

「輝星、蓬が嫌がってる」

「凪羨ましいんでしょ?よもはあげないも~ん」

 凪さんの表情が若干険しくなったような…。輝星さんは私を抱きしめたままあっかんべ~してます。


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