1人ぼっちと1匹オオカミ(上)
朔夜さんたちの仲間と認められることに対しては嬉しい。それは間違いありません。
でも、私はあくまで初代の娘。今の嵐鬼の一員ではありません。
仲良くさせてもらっていますが、それとこれとは別問題ではないでしょうか。
今考えたことを整理しながら朔夜さんにお伝えします。でも、朔夜さんの意思は変わりありません。
「よもちゃん、貰っときなよ。チームに入らなくてもいいけど、あればよもちゃんの助けになるでしょ?」
雷斗くん、それはそうかもしれませんが…。
「蓬、私たちがあなたに持っていてほしいの。それではだめ?」
うぅ、凪さんまで…。
「よもぎちゃん、嵐鬼はあなたの味方でありたいんです。もう2度と昨年のような事が起こらないようにするためにも」
あう、渉さんも…。
みなさんに私は大切にされているんですね。ただ、初代に拾われた子どもだけというのに。
「…朔夜さん、ありがたく頂きます」
「あぁ」
もう、そう言わないわけにはいきません。朔夜さんは優しく微笑んでくださいました。
あう、イケメンさんが際立ちます。