1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

 そんなことをしているうちに寝室にやって来ると、智希と望亜が丸くなって寝ています。
 天使がいます!

 お父さんとお母さんのバトルは終わってないです。あ、そうだ!

「ともくんとみあちゃんの隣に寝るよ?」

「「ッチ…」」

 あう、怖いです。

 それでもお父さんは私を望亜の隣に降ろしました。望亜は少し寝返りをすると、私の服をつかんできました。

 はう、かわいすぎます。

「よも、おやすみ」

「おやすみなさい」

 智希と望亜を起こしてしまわないようにこそこそと言います。
 そっと望亜を抱き締めると、ふにゃあと笑みを浮かべてすりすりと甘えてきました。

 本当に寝てるんですかね。この天使は…。

 望亜の寝顔を見ていたら眠たくなってきました。

 寝るのは少し怖いけど、きっと大丈夫。

 冴えていた目はあっという間に重たくなっていく。見た夢は幸せな夢だった気がします。


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