1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「おかえり、よも。お疲れさん」

「ただいま。お父さん」

 口角を上げるだけの笑みを浮かべて出迎えてくれたイケメンさん。


 そう、この人こそ晴野家の大黒柱である清牙 seigaさんです。
 物静かそうな名前を見事に裏切ってくれるとっても熱い人。清牙さんも30歳です。

 若くて、優しい両親にかわい過ぎるきょうだいがいる。私は幸せ者です。

 あ、私はお父さんとお母さんと本当の親子ではない。つまり、血は繋がっていません。
 お父さんとお母さんが現役だった頃、私を拾って育ててくれたのです。
 
現役とは何かについてはまた後で話しましょう。それより今は…。

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