1人ぼっちと1匹オオカミ(上)

「晴野!?」

「え?」

 背後から思いっきり叫ばれて思わず振り返った。
 すると、そこにいたのは肩で息をする神野くんの姿が。

 なぜ彼がここに居るんでしょうか。しかも、今は学校のはずです。

 神野くんは公園に入って来ると、私の前で仁王立ちしました。

 …無言で睨まないでください。

「なんでここに居んだよ」

「神野くんこそ」

「俺は…さぼりだ」

「なら、私も同じ理由です。何なんですか。休んだ日まであなたに会うなんて」

 本当に最悪です。
 神野くんに会うのが怖くて休んだのに、これでは意味がありません。
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