TOPsecret─地味子と王子の裏の顔─
『黙ってないでなんか言うことないの?』
やばい、
綺麗な顔に見とれてしまっていた…
『ぶつかってごめんなさい!』
『人出てくるんだからさ、
自動ドアの前で周りのこと気にせず動くのはやめてね??』
その人は予想以上に強い口調で言った。
顔は無表情。
身長も高いから上から
見下ろされていると怖い。
『ごめんなさい…』
『別にいいけど。てか、ここのコンビニにこんな高級車初めて見たけどお前何者?』
優しさを感じられない冷たいその姿に
さっきまでかっこいい!と思っていた胸の高鳴りは消えた。
『…今日から転校してきたんです』
『へぇー。転入してきたんだ。その風貌、うちの学校に似合わねぇな』
少し馬鹿にしているように見える。
何、こいつ!?
初対面の私に、ただぶつかってしまっただけの私に、こんな言い方するとかありえなくない!?
数々のモデルや俳優と共演してきた私でさえ
こんなイケメンに出会うこと、
そんなにないのに。
失礼男すぎる!!!
そんな風に思っていると、
ドタバタとこちらに足音が近づいてきた。
『『橘くーんっ!』』