中村くんプロデュース大作戦!!
本気‥‥なんだよね‥‥。
このまま有耶無耶にしてしまいたかったけど‥‥そんなのできないよね‥‥。
私はまだ、中村くんの事を諦め切れていないのに時雨くんと付き合っていいのかな‥‥
もし時雨くんと付き合ったら中村くんの事を忘れられるのかな‥‥
どれが正解でどれが不正解なのか、まだ子供の私には解らない。
でも、私は____
「ごめんなさい。私、時雨くんと付き合えない」
時雨くんから乾いた笑が溢れた
「やっぱり、中村を忘れられない?」
「うん、忘れられないよ。
でも私は、中村くんを忘れるために時雨くんの気持ちを使いたくない。」
「そんなの、いいのに‥‥」
「良くないよ、だって自分を見てくれていない人と一緒にいるなんて、辛いし、苦しいよ」
「うん、そうだね、 ちゃんと言ってくれてありがと、最後に、本当に最後だから、琴美のこと抱きしめていい?」
私の出した答えが良かったかなんて誰にも分からないけれど、私はこれで良かったと思っている。
「うん、いいよ」
時雨くんはすがりつくように私を抱きしめた
これでもかってぐらいに強く抱きしめて、最後に何も言わずに、私に背を向けて帰っていった。