中村くんプロデュース大作戦!!
「俺さ、もうそんな琴美見たくないんだ」
「そんなって‥‥」
「辛いって、苦しいって顔してる」
いつのまにかそんな顔をしていたのだろうか‥‥
「そんな顔してるところ見ると俺まで辛くなる。それにすげー心配。俺も、高橋も」
心配‥‥させていたのだろうか‥‥
不意に見せる友ちゃんの悲しそうな顔、見て見ぬ振りをしていた。
時雨くんも今こうして、悲しそうな顔をしている。
「じゃあ‥‥今更私にどうしろって言うのよ‥‥
諦めようと、いつもと同じようにいようって頑張ってるのに‥‥ちょっとした事で中村くんのことが気になっちゃって!
でも!私の気持ちを言ったら中村くんが困っちゃう!元の関係に戻れなくなっちゃう!」
「そんなの関係ねーよ!困らせちまえ!困らせて、自分を見てもらえよ!」
「そんなの‥‥そんなの無理だよ!!」
「だったら‥‥俺の事好きになってよ‥‥俺を見てよ‥‥」
時雨くんは消え入る様な声でそう言った
「‥‥うん‥‥そうだね‥‥時雨くんを好きになれば、こんな思いしなかった。
‥‥でもね、どうしても頭から中村くんが離れてくれないの‥‥
中村くんとの思い出がずっと心に、頭にこびりついてるの‥‥
‥‥ごめんね」
2人で話したあの日。
2人で出かけたあの日。
2人で帰ったあの日。
その全てが、私の中でひとつひとつ大事に、刻み込まれている。