そんなに妄想ばかり耽るなら小説でも書いたらいいのよ
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北鎌倉駅を出て南に5分。
森の中を歩いているような鳥の囀りが頭の上から降ってくる。
小さな白い壁に、空色の窓枠。
花が咲かない緑の植物(名前は知らない)
私がやっと通れるくらいの高さのドアを開けると、今どきボサノバ?
「いらっしゃい、早かったね」
カウンターの向こうで微笑むのは、このカフェのオーナー。
で、私の彼氏。
栗色の髪をふわりとかきあげて、カウンター席に座るよう促してくれる。
私が座るタイミングで、優しく響く声音。
「珈琲でいい?」
私は、自分より大人なこの彼氏に、はやく釣り合うようになりたかった。
それなのに、
「珈琲以外にあるの?」
なんて言ってしまう。
森の中を歩いているような鳥の囀りが頭の上から降ってくる。
小さな白い壁に、空色の窓枠。
花が咲かない緑の植物(名前は知らない)
私がやっと通れるくらいの高さのドアを開けると、今どきボサノバ?
「いらっしゃい、早かったね」
カウンターの向こうで微笑むのは、このカフェのオーナー。
で、私の彼氏。
栗色の髪をふわりとかきあげて、カウンター席に座るよう促してくれる。
私が座るタイミングで、優しく響く声音。
「珈琲でいい?」
私は、自分より大人なこの彼氏に、はやく釣り合うようになりたかった。
それなのに、
「珈琲以外にあるの?」
なんて言ってしまう。
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