そんなに妄想ばかり耽るなら小説でも書いたらいいのよ
やっぱり、元奥さんて特別な存在なのかな。


「・・・今日の珈琲なんか苦い」


そうだよね。結婚する時は、他にもいっぱいいる女性の中でこの人って決めて決意するんだもんね。


「ねえ、元奥さんも、珈琲、…好きだった?」



彼は、何でそんなこと聞くのか解らないって顔で、一瞬だけ私を見る。

でもすぐに、壁に掛かる絵に視線をうつす。


「そうだな、紅茶より珈琲が好き。でも珈琲より緑茶が好き。そんなこと言ってたな」
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