flower*season
*花の名前
道端にさく花を憐れと思った。
ひっそりと端っこで咲いている花は、きっと誰も見てはくれないだろう。
一生懸命咲いても、その努力に誰も気づかないだろう。
だって、花壇にさく花のほうがきれいだから。
皆は綺麗で大事にされている花を大事にするでしょう。
誰かに踏まれても、頑張って立ち直る花よりも。
綺麗でみんなに愛される花には、道端の花はかなわない。
本当に滑稽としか思えない。
私は自分に似た花を笑う、自嘲的に。
―――― まるで、私みたい。