flower*season
くるくるとテープを巻く。
震える手を押さえて、彼の指を固定するためにテーピングをする。
一生懸命に巻き終えたものは、お世辞にも綺麗とは言えなかった。
「汚い……。」
口に出してみると余計むなしくなった。
「ごめんね、外す。」
巻き終わったテープを巻きなおそうと思って、手を伸ばした。
すると、高原はテーピングされた指を自分の手で覆い隠す。
「先輩がやってくれことに意味があるんです。」
抵抗もなく言い放つその言葉に戸惑う。
最近ずっと振り回されている、この後輩に。
昨日の変な行動にも、今の勘違いさせるような行動にも。