flower*season
「思ったけど、先輩と二人っきりですね。」
「居残り練習とかいつもそうでしょ。」
気まずい雰囲気を作らないために、クスクスと笑う。
それでも高原の突き刺さるような視線は痛い。
「高原まだ痛いよね?」
「んー……やっぱり、少しは。」
赤く腫れていたから、テーピングしても痛いのには変わりないか。
なにか冷やすものはないかな。
棚の中身を念のために探してみようかな。
「ねぇ、先輩。」
「ん?」とだけ答えて、もう一度棚と向き合って冷やせるものを探す。
中には包帯やシップなどある。
湿布だとテーピングの上から張れないなぁ……。